介護施設でおすすめのテレビ番組その1「BS日テレ こころの歌」
仕事は毎日変化している。それも人間相手、しかも認知症を患っている利用者なのだから予測がつかない。
とつぜん変なことを言い出したり、怒り出したりするのだから目が離せないのだ。でも、現場はいつも人手が足りない。1人につきっきりになることは不可能となる。
そこで重要なのがバランスだ。この作業に、どれぐらい時間を使えるのか?もし使ったら、あとでどれぐらいおしてくるのか?肌感覚でバランスを感じないといけないのだ。
1人1人の気分の変化を感じれるようにアンテナを張っていないといけない。そこで思うのだけれどテレビって邪魔じゃあない?ってことだ。
邪魔なテレビ番組
お年寄りが起きている時間帯、テレビがつけっぱなしになっていることだろう。見ているスタイルは人それぞれで、ぼーっと流し見ている人もいれば、なにか言いながら見ている人、テレビの中に入っちゃってる人もいる。
テレビの影響は大きい。それはテレビショッピングがあれほど流れているのを見ればわかる。健常者にとって「だれが買うの?」と不思議なショッピング。買うのはお年寄りだ。通販で破産する認知症のお年寄りのケースは後を絶たない。
で、商売の基本は相手に不安を与えてニーズを生み出すことなのだ。これは生命保険の営業をしていた時に教えてもらったこと。テレビショッピングも同じ構成になっている。
不安を押し付けられるお年寄りたち。すぐにチャンネルを変えたくなった。だけど、変えた先もテレビショッピングだ。ほんと、日中ろくな番組をやっていない。
介護にお勧めのテレビ番組
そこで施設のテレビにHDDレコーダーを勝手にくっつけて、後出しで許可をもらうことにした。録画したのは歌番組。お年寄りの大好物だ。NHKのBSにっぽんの歌、武田鉄矢の昭和は輝いてた、八代亜紀のいい歌いい話、サブちゃんと歌仲間、いい歌番組は大体BSにある。
その中でも秀逸なのはBS日本テレビのこころの歌だとおもう。これは芸術のようなテレビ番組だ。こんな番組があることを介護の仕事をして知った。
https://twitter.com/KOKORONOUTA_BS4?s=20
毒だらけのテレビ番組の中で、美しさの結晶のような歌番組だと思う。内容は、ただ歌っているというもの。直立マイク片手に歌い、演出を一切排除したようなスタイル。初めて観たときは「なんだこれ?」と思ったが、しだいに「これ最高!」に変わった。
毒がないから、安心できる。落ち着かない利用者に見せても安心だし、日本人の遺伝子に響く歌なのだ。
最近では利用者に見せるふりをして自分で楽しんでる。MCやテロップがなく、説明すらなくいきなり歌い始め、そして終わる番組にはまるとは思わなかった。
この現実離れしたこころの歌をぜひ知ってほしいのです。きっと日本中のお年寄りに響くから。