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介護施設で働くライターのブログ

おっさんが未経験で介護の仕事をはじめた結果

42歳のおっさんが介護の仕事に就いて半年が過ぎました。

「体がキツイ、とくに腰をやる」

「人間関係が最悪、おばさんが特にヤバイ」

「仕事内容の割に給料が安すぎる」

というイメージがあった介護の世界。実際はちょっと違います。

「体はキツイけど、肉体労働と考えると楽な方」

「人間関係はラク、良い人が多い」

「給料が安いのは仕方ない、副業がんばる」

というのが実感です。

一口に介護といっても色々ありますが、ここでは私の入った特別養護の視点からお話しさせていただきます。介護度が最も高く、ここでやれればどこでもやれると言われている形態です。

1.体がキツイ、とくに腰

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介護は肉体労働であり、とくに腰がやられる。という話はよく聞いてました。実際に働いてみて、たしかにそうだと思います。

 

体格の良いお年寄りだと60㎏以上、さらにまったく力が入らない人も珍しくありません。スーパーで米袋を持ち上げるよりも、さらに負荷のかかる作業が繰り返されます。

 

朝起きる。お昼寝する。お風呂に入れる。お昼寝する。就寝。それが何人分もあるので、仕事は時間との戦いです。まったりとしていられません。さらに、小柄な女性だと自分よりも大きな利用者を持ち上げたりしなければならないのです。

 

そんな状態ですので体も壊してしまうのは仕方ないかと思います。正しいフォームで行えば、それほどリスクが高い作業ではないのですが、そのフォームを維持し続けるのが難しい。というか、自分の体格に会ったフォームを見つけるのが大切だと思いました。

 

1人1人の体格や筋力は異なり、さらに利用者ごとに力の使い方は異なります。正解が無いので、間違った体の使い方をしてしまうと「あっ」というまに腰がやられる。そんな仕事だと思いました。

 

ですが、肉体労働と考えた場合、これは当たり前のことです。過去に郵便配達や工場作業員、飲食店などをやってきましたが、どれもキツかった。体の使い方を間違うとケガをするし、疲れます。事故のリスクは付きまとい、保証もされません。

 

郵便配達は交通事故のリスクとの付き合いです。それでも早く配るために、いろいろな無茶を通さねばなりませんでした。

工場作業員では高所からの落下、事故が起こる場所での作業でした。

飲食では手荒れと時間との闘い。

それに比べると、介護はか細い女性でもやっている仕事です。体を動かすのが好きな男性なら、それほど過酷な作業ではありません。

2.職場の人間関係

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介護の現場の人間関係についても誤解がありました。意地の悪いおばさんがいびってくるイメージがあったのですが(そうゆう人もまだいるにはいるのですが)基本的に良い人ばかりです。

考えてみれば「介護の仕事をやってみよう!」と思う人って、性格が穏やかでやさしいんだと思います。

職場の人間関係が荒れるのは

・職員同士で競わせる業界

・人件費を削るのが正義という世界

・成り上がりや野心を満たしてくれる世界

だと思います。

 

保険の営業をやっていたことがありますが、売り上げの為には人を人と思わないことがコツでした。そこでなりあがっていく人は確かにすごい。工場では派遣会社から沢山人を呼びます。その中には、かなり問題がある人もいて、そんな人が1人いるだけで空気はぶっ壊れます。「俺は仕事ができるんだぜ」というマウントをとってくる人(ただの作業員)もいました。

介護はそうゆうのが発生しにくい業界です。マウントがとりにくいからです。人と人の関係に終わるのが介護ですから、数値化されないし、できない。そんな世界ではいざこざも起こりにくいんです。たしかに古い体質の鬼BBAが生き残っていることもありますが、健全な体質の事業所なら少数派になっているはず。

 

3.給料が安い

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こればっかりは仕方ありません。なぜ安いのか?って話は「ヘルプマン!」という漫画に描いてあります。

amzn.to

厚生労働省のサイトにもあります。

https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf

介護保険の制度にはみっちりとルールが決められていて、その中から人件費をしぼりだすのはかなり大変。マンパワーが必要不可欠な業種なので、必然的に給料は安くなります。

でっかい野望をもって介護の仕事に挑むなら、それなりの計画が必要でしょう。ケアマネの資格を取ったり、その施設のトップを目指したり、自分で事業を立ち上げたり。

ニーズは高まっていく業界ですので、仕事が無くなることはありません。入居待ち100人なんてザラです。私もハロワでこの仕事の求人を見つけました。人手が足りないのです。外国人の実習生も多く入ってきます。

そんなわけで安月給がデフォの介護業界です。純粋にお金目当てなら、他の仕事をおすすめします。

安定した職に就きたいというならお勧めできます。9割が介護保険から助成されているほぼ公務員のようなものですし、ボーナスもちゃんと出るところがほとんど。仕事はシフト制で残業もあまりありません。子育てをしている人にもちゃんとサポートがありますし、なんだかんだ自由時間の多い仕事です。

私もやってますが、副業もできるのが強み。ネットをつかったお小遣い稼ぎがあるなら、介護は結構おいしい仕事かもしれません

介護のやりがい

最後に仕事のやりがいについて。承認欲求が満たされる仕事ではないので、仕事一筋の人にはあまり向かない仕事です。趣味を楽しみたい、とか、副業や子育てしながら働きたい人ならもってこいでしょう。

それにやりがいはあります。人生の最終ステージに入ったお年寄りたちと寄り添っていくのはたまらないものがあるんです。やればやるほど技術も上がっていくので、自分のレベルアップも楽しい。なんだかんだで安定している職種なので、残りの人生を介護に使ってみようと思っています。